中距離恋愛
「じゃあみんな、気をつけて帰るように!」

剛がそう挨拶すると、
「えー!篠田先生は?」
生徒からの質問。

「先生、実家に帰るって言ってたじゃない。
彼女さんも、来ているんだし…」
「そっか、そうだよね!
先生、月曜日はちゃんと学校にきてよ」
「かわいい彼女と、イチャイチャして休んだら駄目だぞ!」

そんな言葉を背に受けながら、彼の車の助手席に乗り込んだ。
生徒たちに見送られながら、車を発車させた。

「…実家には明日行く予定で、今日はホテルに泊まるんだ。
夏帆は明日は休み?」
「うん、休みだよ」
「じゃあ、ゆっくり出来るな。
話したいことあるし…」
そう言って車を走らせる剛。
向かった先はスターホテル。

フロントでチェックインする彼をロビーから見守る。
鍵を受け取りエレベーターに向かう剛を追い、同じエレベーターに乗る。
降りたのは7階。
そのまま一緒に部屋に入る。

「ごめん。先にシャワー浴びてくる。
夏帆はゆっくりしてて」
剛はそう言って、バスルームへ入って行った。


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