中距離恋愛
そんな表情で、そんなことを言われたら、私は頷くことしか出来ない。

「…分かった」
私がそう答えると、剛の表情が柔らいだ。

「…でもね。
1つ、お願いがあるの」
そう言うと、ジッと私の顔を見つめてくる。

「今日は朝まで一緒にいたい…」
「夏帆…」
困ったような顔をする剛。

「結婚は白紙って言ったよな?」
「…分かってる」
「俺、男だぞ」
「…当たり前でしょ」
「お前のこと、好きなんだよ」
「…うん。私も剛が好きだよ」
「久しぶりに会ったんだ。理性、保てる自信ないぞ」
「…いいよ」
「お前のこと、メチャクチャにしてしまうかも知れないよ」
「…いいってば!」

私はイスから立ち上がり剛に近づくと、自分から彼の唇にキスをした。
最初は驚いていたけど、次第に彼のペースでキスを繰り返される。
何度も角度を変えながら深くなるキスに、何も考えられなくなる。
体に力が入らなくて、彼にしがみつく。
体を抱き上げられ、ベットまで運ばれる。

「…本当にいいんだな?」
最終確認され頷くと、唇に深いキス。
それから、ゆっくり服を脱がされて、夜が明けるまで何度も愛された。



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