中距離恋愛
剛は今日から、バスケの県大会でこっちに来ている。
さすがに夏帆も、そのことは知っていた。

さて…
どんなふうに俺の気持ちを伝えたらいいんだろう?

とりあえず、遠回しに言ってみた。
…伝わらない

夏帆らしいと思いながらも、ストレートに伝えることにした。
「やっぱり俺、夏帆が好きだ!
もう一度、お前の隣に立つチャンスを俺にくれないか!?」

驚いていた彼女。
答えは急かさない。
マンションまで送り届けてから、剛に告白したことを告げた。

剛からは、5年前のことも夏帆に話せと言われた。
剛は自信があるのだろう…

土曜日の午後。
飛鳥から連絡があり、夏帆と左紀と3人で俺を訪ねてきた。
夏帆から、「5年前のことを話して欲しい」と言われ、俺は全てを話した。
飛鳥と左紀は、知っている話だ。
夏帆がどう思ったかは分からない。
「少し考えさせてください」
夏帆はそう言って頭を下げた。

3人が帰ったあと、剛の妹の葵から話しがあると呼び出される。
予想はつくが…

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