中距離恋愛

「大地さん。
夏帆さんのことが好きなんですか？
夏帆さんは、お兄ちゃんの婚約者ですよ！」
「…知ってる」
「…じゃあ。
私を見てくれませんか？
大地さんが、好きなんです！
ずっと前から…」
「……………」
「……………」
「…ごめん葵。
今は考えられない。
葵は、俺にとっても妹みたいな存在だから」
「…私じゃ、無理ですか？」
「……………」
「……………」
「…いろんなこと、全てクリアーにしたら、葵のこと、ちゃんと考えるから。
それじゃダメか？」
「…分かり、ました」

そう言うと、葵は帰って行った。

だいぶ前から、葵の気持ちは分かっていた。
葵から何も言ってこないから、ほったらかしにしていたが…
ちゃんと考える時期が来たのかも知れない。