中距離恋愛
そして、私と約束した日にドタキャンされ、大地さんと藤森さんのツーショットを見たあの日。
彼を信じられなかった私に、
「夏帆、ごめん。
お前より大切な人が出来た。
別れて欲しい」
と、告げるしかなかったらしい…

そのときの私は、大地さんの気持ちを考える余裕がなかった。
ただ、大地さんに裏切られたのが悲しかった。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

¨どうしてあのとき、大地さんを信じることが出来なかったのだろう?¨

大地さんの話を聞き終わり、最初にそう思った。
後悔しないつもりだったが、やはり後悔している…

どうしよう私…
取り返しのつかない誤解をして、大切なものを失ったんだ…

知らずに涙が溢れ出す。

左紀がすぐそばまで来て、私を抱きしめてくれる。

「…左紀は知ってたの?」
涙声で左紀に尋ねる。
「うん。
今年のGW、篠田さんと4人で会ったあとに、飛鳥さんの働くバーで早瀬先輩から聞いた」
「…そう…なんだ」

それから左紀は、諭すように私に言う。

< 295 / 317 >

この作品をシェア

pagetop