中距離恋愛
左紀からは、
¨しばらく飛鳥さんの部屋に泊まるから¨と連絡がきた。

私が1人で考える時間を作るためだろう…

左紀と大地さんは同じ会社で働いているから、そういう面でも気を使ってくれたのかも知れない。

1人になって、考える時間はたくさんあるはずなのに、同じことを堂々巡りしている。

剛との出会い。
大地さんと付き合った日々。
大地さんにフラれたときの悲しみ。
剛との再会と告白。
プロポーズされたバースデー。
ストーカーの恐怖。
大地さんからの告白。
真実を知った日。

それらを繰り返し思いながら、私の中で、少しづつだけど、答えが見えてきた。

どちらが好きなのか。
どちらと一緒にいたいのか。
今、会いたいのは誰なのか。

答えが見えたとき、何度も自分に問う。
¨本当にそれでいいの?¨と…

¨大丈夫¨と即答出来ないのは、まだ迷いがあるから。

本当に¨大丈夫¨と言えるまで、何度も繰り返した。

そして、本当に¨大丈夫¨と言えたとき。

私は剛と大地さんに連絡をした。



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