中距離恋愛
「おはよう。もう行くのか?
夏帆のこと、よろしく頼むよ」
「はい」
「お兄さん。
お姉ちゃんと先に行っててください。
私たち、後からすぐに追いかけます!」
こうして3人に見送られて私は家を出た。

役所は基本、土日祭日は休みである。
しかし、交代で必ず誰かは居て、婚姻届を受理してくれる。
私たちも、休日当番の人に婚姻届を出すと、記入漏るがないかをチェックして、
「受理されました。ご苦労さまです」
と、事務的に言われた。

それからスターホテルに向かう。
彼の車が着くと、すぐに
「お待ちしてました。
本日はおめでとうございます」
と、菊池さんが出迎えてくれた。
そしてそのまま、控室まで案内してくれる。

新婦側の控室には、もう1人のブライダル担当の宮本さんがいた。
ほかにも、メイクや衣装担当が2人。
私が着る予定の、純白のウエディングドレスと、グリーンのカクテルドレスも見える。

「本日は、おめでとうございます。
素敵な式となりますよう、私どもも一生懸命やらせていただきます。
1日、よろしくお願いします」
宮本さんが代表で挨拶をしてくれた。

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