中距離恋愛
「分かりました、お義父さん」
父の言葉に、しっかりとそう答えた彼·篠田剛は、私をエスコートして神父さまの前まで歩みを進める。
神父さまの前まで来ると2人で1礼する。

それから神父さまの進行に従い、誓いの言葉·指輪の交換·誓いのキス…と続く。

「篠田剛·柳沼夏帆を、夫婦として認めます」
その神父さまの言葉に、たくさんの拍手がなった。

剛と私が教会から出ると、参列者からフラワーシャワーが降ってくる。
「おめでとう」
「剛、カッコ良すぎだろう」
「夏帆、キレイだよ」
そんな声も飛ぶ中を、彼と腕を組んで歩く。
「ありがとうございます」と、
笑顔で応えながら。

参列者の前を通り過ぎると、
「ここで新婦によるブーケトスをする予定でしたが、新婦からの希望により、披露宴で行うことになります。
披露宴は12時からです。
会場の準備は整っておりますので、しばらく会場でお待ちください」
菊池さんの説明する声が響いた。

その声に、みんながホテルへ戻る。
そのときも、親しい友人たちが、私たちに声をかけていってくれた。

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