中距離恋愛
それを見た後、私はお色直しでカクテルドレスに着替えるために、席を外した。

着替えが終わると、剛と共に入場し、そのままキャンドルサービスで各テーブルを回る。

順番に火を灯し、最後、高砂前のキャンドルに点火するときには、たくさんのフラッシュがたかれた。

そして、友人代表のスピーチ。
今回は、左紀と大地さんが一緒にスピーチをしてくれる。
いろいろあったから、剛は大地さんにスピーチを頼むのを躊躇ったみたいだが、逆に大地さんの方が、
「剛の友人代表は、俺しかいないだろう」
と言ってくれたらしい。
そして、いろんな繋がりのある左紀と、一緒にスピーチをすると言う流れになった。

さすがに、私と大地さんが付き合っていたことには触れず、中学生のころに初めて会ったことから、お互いに初恋の相手と言うことまで暴露されてしまった。
それでも、左紀と大地さんが、本当に剛と私の幸せを願っていることが伝わってきて、思わず涙が出てしまった。
隣で聞いていた剛も、
「…まったく、大地のやつ」と言いながらも、嬉しそうだ。

< 314 / 317 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop