中距離恋愛
「………」
「…柳沼ちゃんに好きな人が出来たり、俺のことが本当にイヤになったら言って。
…そうしたら諦めるから、たぶん…。
あっ、でも…俺を諦めさせるために、嘘をつくのだけはやめてね」

告白されたとき、ここまで宣言されてしまった。

夏休み中は会うことはなかったから忘れていたけど、2学期が始まってからは宣言通り、昼休みに藤田くんは私のところに来るようになった。
左紀にも相談したけど、
「夏帆が早く好きな人を作ればいいの。いくらでも紹介するよ。
それか、¨あなたのしつこいところがキライ¨って言ってしまうか…。
まぁ、私も一緒にいるから大丈夫だよ」
そう言われた。
全然、大丈夫じゃない!
私には、どうしたら彼に諦めてもらえるか、全く分からなかった。



そんな中、とってしまった先程の行動。
多分もう、私自身が限界だったと思う。
彼の好意だろう行動が苦しいのだ。
明日から文化祭が始まる。
楽しく過ごしたいけど、今のままじゃ無理だろうな…
どうしよう…

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