中距離恋愛
左記に背中を押されて、大地さんと2人で話し合うことになった。

「夏帆。ちゃんと話しなさいよ」
左記が言う。

大地さんは一緒にいた彼女に、
「晴香さん、ごめん。
後で連絡するから」
と言っていた。
それに対し彼女は、
「分かった。
連絡待ってるから、その子とちゃんと話しをつけて来てね」
と笑顔で言っている。

¨ちゃんと話しをつけて来てね¨とは、¨ちゃんと別れて来てね¨と言う意味なのだろうか？
少なくとも私には、そう聞こえた。

「夏帆、行こうか」
大地さんに言われ、私は彼について行く。
¨晴香さん¨と呼んだ彼女を気にしてか、私と手を繋ぐことはない。
「昼飯まだだろ？ファミレスでいいよな？」
そう言うと、近くのファミレスに入る。
彼はハンバーグセットを注文した。
私はドリンクバーだけを頼む。
「ご飯、食べないのか？」と聞かれ、
「さっきまでポップコーンを食べていたから…」と答えた。
これは、半分が本当で半分が嘘。
この状況では、食事なんて喉を通らない。
ただ、口元は渇いていた。
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