おやすみなさい。
***
花は綺麗だ。
ビックリするぐらい純粋で、いつだって笑ってる。
花といるのが好きだった。
穏やかで優しい花との時間は、温かくて心地良かった。
だけど俺は風だから。
1つのところに留まることはできなかった。
花の様子がおかしかったのに。
「花は」
「雪花は還ったよ」
どっしりとした大木は、静かに言った。
雪花は、もうどこにもいなかった。
悲しくて悲しくて。
寂しくて苦しくて。
びゅうびゅうびゅうびゅう世界を駆けた。
どんな景色を見ても。
雪花はどう言うかなと思ってしまう。
ああ、ああ、ああ!
こんなに大事だったんだ。
こんなに大切だったんだ。
嘆いて荒れ狂う俺を、優しく偉大な父さまが呼んだ。
「風の精、風の精。
愛しい我が子。
この世界を嘆かないでおくれ。
この世界が嘆いてしまう」
「ならば父さま、俺の願いを聞いてください。
俺は––––––」
「・・・わかった。
おやすみ、私の愛しい風の子」
***
花は綺麗だ。
ビックリするぐらい純粋で、いつだって笑ってる。
花といるのが好きだった。
穏やかで優しい花との時間は、温かくて心地良かった。
だけど俺は風だから。
1つのところに留まることはできなかった。
花の様子がおかしかったのに。
「花は」
「雪花は還ったよ」
どっしりとした大木は、静かに言った。
雪花は、もうどこにもいなかった。
悲しくて悲しくて。
寂しくて苦しくて。
びゅうびゅうびゅうびゅう世界を駆けた。
どんな景色を見ても。
雪花はどう言うかなと思ってしまう。
ああ、ああ、ああ!
こんなに大事だったんだ。
こんなに大切だったんだ。
嘆いて荒れ狂う俺を、優しく偉大な父さまが呼んだ。
「風の精、風の精。
愛しい我が子。
この世界を嘆かないでおくれ。
この世界が嘆いてしまう」
「ならば父さま、俺の願いを聞いてください。
俺は––––––」
「・・・わかった。
おやすみ、私の愛しい風の子」
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