俺は猫じゃないっつーの。
「二年に鈴音先輩っていう人いるじゃん?」
…………どきっ。
いきなり鈴音の名前が出てきたから、すげぇびびった。
「昨日、彼氏と別れたんだって~!」
「……はぁ!?」
ガタンッと音が出るほど勢いよく立ち上がった俺を見て、みんなが驚いたように動きを止める。
「え、ちょ……なに」
「まさか、知らなかった系?」
……知らなかったもなにも、彼氏いたことすら知らねぇし。
あ、そういえば最近、夜遅かったりしてたな。
俺、放置気味だった。
「やっぱ猫って、鈴音先輩のこと好きなんだね」
「は、はぁっ?お前頭おかしーんじゃねぇの?冗談はその髪型だけにしろよ」