運命のイケナイ恋〜永遠に <完全実話>
このまま、 
一緒の新幹線に乗って行ったらどうなるかな? 



なんて考えてるからかな。 





切ない目をして 
涙を流してくれるしゅんを、 
見つめることしかできないあたし……。 







何度もキスをして…… 
手を振って、 
あたしは笑顔で閉まるドアを見つめて…… 


走りだした新幹線を
ただ見送るしかなかった……。 





今まで見送ってもらってばっかりで、 
見送る辛さをこの時初めて知った……。 



小さくなる新幹線を見送って、 
見えなくなる頃涙が溢れた。 




『いっつも俺ばっかり泣いてる』



しゅんにそう言われた。 
あたしも、 
なんであたしは涙が出ないんだろ? 
っていつも思ってた……。 


こんなに悲しくて、 
こんなに辛いのになんで?あたしは涙が出ないのかな、って……。





だけどこの時 
気付いたら涙が頬を伝ってた…… 





しゅん、 
待って……。 
しゅん、 
行かないで………………。 




しゅん、 
しゅん、 
しゅん………。 





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