運命のイケナイ恋〜永遠に <完全実話>
あたしたちは改札を挟んでどうしたらいいか分からずにいた。 



メールや、電話の時と違う彼の様子に戸惑い、 
不安になりながら、 
あたしは


「そっち行くから」


とだけ言って、走った。 



あたしが乗ってきた東海道新幹線から、彼が乗ってきた上越新幹線に乗り換えるだけなのに、切符を持っていないあたしはこの改札を通れず、もちろん彼も通れない。 
東海道新幹線の乗り換え用改札に戻り、一旦出て、上越新幹線の切符売場へ向かう。 




どこまで買えばいいのかわからない( ̄□ ̄;)!
こちら側に回ってきてくれていて、改札の中にいる彼に声をかける。 



「ねぇ、どれに乗るの?どこまで?」



『大宮』




大宮って言ったって何新幹線かわかんないよぉ、上越?東北?なんだよこれ……いっぱいあるし。 


テンパッてるあたしと、
涼しい顔で待つしゅんちゃん……




ダメだな、多分 
帰りたいって思ってるな…
それでもなんとか、改札を抜けホームにあがる。 
ぎこちないし、微妙な距離を保ちながら………。 



会ったらすぐチュウするんじゃなかったっけ
なんて思いながら。 




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