秘め恋*story3~パート先で…~




ーーーーーー




「はぁ??留年の危機~??」



「あはー♪俺っち、やばい状況!」



「あは♪じゃない!あんた、夏休み遊びすぎなのよ!バカ~!」



「いや、俺のこの頭は親譲り。」




呑気な息子に一発食らわすと、私は頭を抱える。



留年…はぁ。
なんで親譲りの頭脳を持って生まれてきちゃったんだろう。




「とりあえず、勉強しなさい!
今日から今度のテストまで寄り道せずまっすぐ家に帰って勉強!分かった?」



「はい。。」




少し厳しく言ったせいか、軽くしょぼーんとしながら、学校へ登校していった大地を見送り、仕事へ出た。




彼、黒木くんがバイトに来なくなって早10日。



前と変わらず、黙々と仕事をこなしていた私。



でも、前と少し違うのは…




「重い…」




力仕事がちょっと苦痛になったこと。


気がつかない内に私は彼に頼ってたのかもしれない。



こらこら、鍛えなさい!私!




「あ、」




ーーーーーーーー・・・




「すみません。」



「仕方ないよ、黒木くんがいなくなった分、また金沢さんには負担かけてるから。でも、ほんとに大丈夫?」



「大丈夫です。ちょっと、手首ひねっただけですから。私こそ、早めに上がらせてもらっても大丈夫なんですか?」



「そんなの気にしなくていいから。早めに帰ってゆっくり休んで。」



「ありがとうございます。」




鍛えなきゃーなんて言ってるそばから、足台から落っこちて手首をひねる私。



はぁ。ダメダメだなぁ。



早めに上がらせてもらった私は、夕飯の材料を買って明るい内に家路についた。




「はぁ。シャワー浴びよう。」




残暑厳しく、汗だくになっていた私は大地が帰るまでにとりあえず、シャワーを浴びた。




タオルで髪をばさばさと拭きながら、キッチンへ出ると大地が帰っていた。




「あ、大地お帰り。」



「ただいまー。てか、飲みもんないの?ジュース的なさぁ。」



「あ、買うの忘れてたぁ!」



「まぢかよー。」



「お茶飲みなさいよ、お茶。」



「違うよ、俺じゃなくて…ってか、母ちゃん、シャワー浴びた後なのはいいけどさ、もうちょっと何か着なよ。」



「何よ。いつもこうじゃない。」



「いや、俺はいいけど、お客さん来てるし。」




「え?お客さん!?」




それ、早く言いなさいよ!




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