秘め恋*story3~パート先で…~




こんなだらしない格好なのに、見られたら…




「大地、お客さんってだ…」




誰?って聞く前に大地はリビングに向かって声をかけた。




「黒センパーイ、麦茶でもいいすかー?」




すると、黒センパイなる人がキッチンへ顔を出した。




「大地、そんな気遣わないでいいって………っ」




と、私の存在に気がついて固まる。


そして、黒センパイを見て私も固まる。




「あ、母ちゃん、この人俺の1個上のセンパイで黒センパイ。勉強教えてもらえることになったから。安心して!」




大地は麦茶をコップに注ぎながら、私に黒センパイを紹介してくれた。




「どうも、黒木です。お邪魔してます。」



「あ、大地の母です。」




慌ててお互いペコペコ。


そう、黒センパイこと黒木センパイは、
私のよく知っている黒木くんだった。



どう反応していい迷っていると…




「あー、大地。悪い。
やっぱなんか炭酸系が飲みたいわ。」



「あ、まぢすか。奇遇っすねー。俺も炭酸飲みたい気分♪ちょっくら、コンビニまで行ってきまーす。」



「悪いな。」




見事な先輩と後輩のやり取りで、大地がコンビニに出掛けていく。



玄関のドアが閉まると、この家のこの空間には私と黒木くんの二人きりになった。




「お久しぶりです、なつみさん。」



「うん。久しぶり。元気そうね。」



「はい。」




10日ぶりに見た彼は変わらず、
爽やかな笑顔が眩しかった。



でも、今は制服姿。
そう、彼は高校生。



やっぱり制服姿だと、バイトの時よりも少し幼く見える。




「びっくりした。大地と友達だったの?」



「あー…はい、実は。」




気まずそうな笑みを浮かべた。




「なつみさん、今日早いですね。」



「あ、うん。ちょっと、足台から落ちちゃって早めに上がらせてもらって…」




私がそこまで言うと、離れてたまま話していた彼が慌てて駆け寄ってきた。



グッと近くなった距離に思わずドキッとする。




「大丈夫ですかっ!?ケガは…」



「大丈夫だよ。手首少し捻っちゃったくらいだから。」




彼は、ホッとするどころか心配そうに私の痛めた手をそっと優しくとった。




「無理しないでくださいよ。なつみさん、そんなに強くないんですから。」



「ん、うん。」




優しい彼の言葉に素直に頷く。


と、気づいてしまった…私の今の格好。。


キャミソールに麻の短パン…


なんちゅーだらしない格好っっ!!
















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