夏は恋する季節
「あ、了…」
美桜が教室のドアの方をみて呟く
あたしは見ることができなかった
「はよ」
了はあたしの隣に座ってそう言った
「了、焼けた?」
「まーな」
なんだ、美桜に言ったのか
やっぱりすぐに諦めるのは無理みたい
夏休みの間、できるだけ了とは普通に!って何度も練習してきたけど、あった瞬間に何もできなくなっちゃうくらいダメなあたしがいた
あたしは了と美桜の会話を耳だけ傾けて窓からぼーっと外を見ていた