CHECKMATE
予定通り、725号室に美穂を連れ込んだ水島。
ドアが閉まるや否や、美穂をドアに押し付け首筋に顔を埋めた。
最初はほんの少し抵抗したものの、次第に水島に応えるように身体の力を抜いた。
それを察知した水島はゆっくりと顔を持ち上げ、美穂の瞳を真っ直ぐと見つめた。
「どうして欲しい?」
「へ?」
「キミの思い通りにしてあげるよ」
「…………」
水島は妖艶な瞳で美穂を煽り始めた。
長い髪を優しく梳きながら、美穂の言葉を待つ水島。
先程までの荒々しさは微塵も見せず、壊れ物を扱うようにそっと指先を頬から首筋へと滑らせて。
すると、ゴクリと生唾を飲み込んだ美穂は背伸びをして、水島の耳元にそっと囁いた。
「シャワーを浴びて来て?………ベッドで待ってるわ」
「フッ、…………一緒に入らなくていいのか?」
「今日は遠慮しとくわ。どうしても……と言うなら、ご一緒するけど?」
「フッ、分かったよ。今日は大人しく、キミの言う通りにするよ」
不敵に微笑んだ水島は、美穂の額に軽く唇を押し当てた。
そして、ネクタイを解きジャケットを脱ぎ捨て、それを美穂に手渡した。
「直ぐに戻ってくる」
柔和な表情で頬に軽くキスをし、浴室へと向かった。