CHECKMATE


「ヨシ、夏桜。お前が選べ」
「へ?」
「お前の彼氏候補だ。これから毎日お前の護衛をチームで担うが、刑事である以上、危険と隣り合わせだ。それは夏桜、お前にも言える事だ。だから、自分の命を預けられる相棒を自らの意志で選ばせてやる」
「おっ、それはいいっすね!」

千葉の提案に納得する剣持。
水島も頷きながら視線を夏桜に向けた。

「ちなみに、照さんでもいいぞ?奥さんがいるが、仕事上という事だからな」
「そんな事言われても……」
「倉賀野は情報分析専門だし、三國は鑑識専門だから、格闘系は無縁に等しい。まぁ、それでも奴らがいいなら俺は何も言わない」
「ちょっと、班長っ!」

千葉の言葉に慌て始める三國。
人の護衛にあたる事などした事が無いのであるから、異議申し立てをしてもおかしくない。

倉賀野に至っては、放心状態で傍観している。

夏桜はどうしていいのか分らず、視線を泳がせていると、

「剣持は射撃の名手だ。大会で何度も優勝している」
「………」
「柔道・空手なら照さんの右に出る者はいない。現場で培った判断能力はチーム一だ」
「………」
「敵の目を欺くという点に於いては、水島が適任だ。変装も上手いし、車の運転もチーム一だ。国際A級ライセンスを所持しているから、車で逃走するなら安心出来るだろうな」
「………」
「ちなみに、俺はオールラウンダーだ。射撃は優勝経験があるし、柔道・空手も国体優勝経験がある。車は毎日乗って解ってると思うが、まぁ、安全運転だろうな」

男達にじっと見つめられ、夏桜はたじろいでいた。

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