CHECKMATE
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夏桜のマンションが空き巣被害にあった日から、数日が経ったある日。
「一輝さんっ、桑原が死んだって本当ですか?!」
捜査に出ていた剣持が血相を変えて戻って来た。
そのすぐ後ろに神保の姿もある。
「……あぁ、本当だ」
落胆を隠せない千葉は、溜息まじりに口を開く。
「昨夜、本牧埠頭の沖合で遺体が発見され、解剖の結果、桑原と判明した」
「クソッ!」
1週間程前、剣持と水島で桑原が整形手術を受けた病院を割り出していた。
桑原は4年ほど前にその病院で、二重瞼の手術以外にインプラントの施術も受けていたのである。
麻薬で溶けた歯を綺麗に見せる為に施術を受けたようだ。
詐欺行為を働くには、見た目が重要だと考えたのである。
その病院の歯型データと治療痕から、桑原と判明したのである。
「………足が付くのを恐れて、意図的に殺されたのでは?」
「俺もそう睨んでる」
「本牧埠頭と言ったら、国際貿易港だな」
口を真一文字に閉じ、腕組みしていた神保が口を開いた。
「はい、横浜港で一番大きなコンテナターミナルです」
「死因は、やはり溺死か?」
「それが……水死では無いんです」
「じゃあ、死因は何だ」
神保が鋭い視線を向けると、パソコンに向かっていた夏桜が席を立った。