CHECKMATE


その日の午後。
夏桜に倉賀野の画像処理を手伝わせ、千葉は再び蜥蜴と接触していた。

そして、その足で遠張りしている神保のもとへ。

「照さん、お疲れ様です」
「おっ?……どうした、1人か?」
「はい。本庁で画像処理を手伝わせてます」
「そうか。それで、俺に何か用か?」
「……はい。ちょっと、これを見て下さい」

千葉は蜥蜴から貰った写真数枚を神保に手渡した。

「これは………」
「そうなんですよ。俺もかなり驚いてるんですけど、俺の情報屋は確かなんで……」
「これが本当だとすると、意外な線で大物がかかりそうだな」
「…………はい」

神保は写真を眺めながら、無精に伸びたあごひげを指先で遊ぶ。
そんな神保を見据え、千葉は真剣な表情で口を開いた。

「これ以上、猛を潜入させるのは危険です。今夜を最後に引き上げさせようと思うんですが」
「……そうだな、俺もそれがいいと思う。ここでシキテン(見張り)してても無駄な気がする」
「そうですね」
「別の線から進めた方が良さそうだな」
「はい、自分もそう思います」
「そうと決まれば、直ぐに戻るか」
「はいっ!」

千葉と神保はすぐさま本庁(警視庁)へ戻る事にした。
そして、その一報は水島と三國にも知らされ、2人も本庁へ戻る事となった。


捜査に出ていたメンバーが勢揃いしたチーム『S』の部屋。
ホワイトボードに新たな情報が書き足された。

それは――――………

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