CHECKMATE
千葉が倉賀野に数枚の写真を手渡す。
「それが仙堂の車だ。大至急で足取りを追ってくれ」
「了解ですっ!」
倉賀野は写真に写るナンバーからU号し(車輌所有者照会)、通過した道路の特定を測り始めた。
「照さんと水島で板橋とその女を徹底的にマークし、仙堂との繋がりを調べてくれ」
「「了解」」
「猛は、今夜でクラブ『AQUA』に潜入するのは最後だ。出来るだけ多くの情報を頼むな」
「了解」
「夏桜は、キュア製薬の社員の特定を頼む。写真から出来るだけ顔貌識別をしてみてくれ」
「はい、了解です」
メンバー一様に真剣な顔になり、すぐさま各々の任務に取り掛かる。
そんな中……。
「あの、班長?自分は何をすればいいのですか?」
倉賀野の横にいた三國が困惑した表情を浮かべている。
「三國には聞きたい事があって……。ちょっと俺と一緒に来て貰えるか?
「あっ、はい」
千葉は三國を連れて、チーム『S』の部屋では無く、別の部屋へと。
そこは取り調べが行われる部屋で、刑事である千葉は何度も使用した事があるが、鑑識課である三國は初めて入った部屋であった。
わざわざメンバーの目を盗むように別室に連れて来られた意味を推し量る三國。
だが、千葉が聞きたいという事の内容が全く以て予想出来ない三國であった。
三國がゴクリと唾を飲み込むと、千葉はジャケットの内ポケットから手帳を取り出した。