CHECKMATE


「キュア製薬が出入りしている理由を考えてみたの」
「それは俺に限らず、照さん達も思う所だが………。美人局や売春を裏で斡旋しているとすると、その、……何だ、………避妊薬などをホステスに流してるんじゃないか?」
「ん、それは私も考えたわ。だけど、絵里さんは無排卵周期症なの」
「無排卵周期症?」
「俗に言う、無排卵月経ってやつ。詳しい検査をしてみないと断定は出来ないけど、数値から言ったら治療しなければ、妊娠はかなり難しいと思うわ」
「ん?だとすると、避妊の必要は無いって事か?」
「無いとは言い切れないけど、恐らく。だけど、例の婦人科で薬を処方され、それを飲んでいたそうなの」
「どういう事だ?」

脳内で状況を整理した千葉は、納得したような表情を浮かべた。

「体に悪い所があるなら、治療するのが病院だろ。別にどこもおかしくないじゃないか」
「ちゃんとした病院ならね?」
「っ?!……それってどういう意味だ。あの病院がちゃんとしてないって事か?………だから、自ら調べてたって訳か」
「絵里さんの話だと、同僚のホステス達にも同じ薬が処方されてたそうよ。無排卵周期症って、基礎体温をきちんと付けてないと分かりづらいの。個人差もあるけど、月経のような出血が毎月ある人もいるし」
「………」
「その当時、ホステスが15人くらい居たそうなんだけど、定期的に健診と称して、全員病院に通わされてたそうなの」
「それじゃまるで、風俗やソープじゃないか」
「しかも、絵里さんだけでなく、他のホステスも同じ薬を処方され、飲んでいたそうよ」
「何っ?!」

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