CHECKMATE
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警視庁のとある一室にある特殊捜査チーム『S』の部屋では、新たに得た情報も加え、入念な打ち合わせが行われている。
「ホステスの方はどうだ」
「はい。俺と水島で、元ホステスを当たってるんですが、何人か崩せそうな人がいるので、引き続き当たってみます」
「ん、頼むな」
「はい」
剣持と水島は、倉賀野が入手した別ファイルに記載のあったホステスで、既にクラブを辞めている女性を当たっている。
クラブと婦人科との関係が浮き彫りになる証拠を掴むために。
「照さんの方は?」
千葉は腕組みをしている神保に視線を送ると、
「班長の言う通り、仙堂が六本木のクラブに出入りしているのは確かだ。ここ数日で2回、23時頃に例のクラブに姿を現した。それと、俺のタレコミ屋からの情報なんだが、クラブはクラブでもCLUB違いというか、何て言えばいいんだ?若者が集まるCLUBがあるだろ」
「CLUBですか?」
「おぉ、それそれ」
神保の言葉にすかさず剣持がアシストする。
語尾を上げ、イントネーションを変えて……。
「そのCLUBとやらで、仙堂と外国人の男が頻繁に接触しているというんだが……」
「え?あ、それって、この男ですかね?」
千葉は1枚の写真をホワイトボードに貼り付けた。
「悪い、人相まではまだ把握してないんだが、金髪だと言っていた。もしかすると、その男かもしれんな」
「そうですか……」
「班長、その男は?」
メンバーの視線が写真の男に集中する。
そこにはブロンドヘアーの男性が写っている。
千葉同様、ある程度実力のある刑事には、必ずと言っていいほどタレコミ屋の存在があるのだ。