CHECKMATE
「剣持と水島は、引き続き元ホステスを当たって、何が何でも証拠を掴め」
「「了解です」」
「照さんは、仙堂の動きを探りながら、密売ルートの情報を得て下さい」
「了解」
「科警研からの要請があるから、三國はそっちを頼む」
「了解です」
「倉賀野は、照さんからの情報のCLUB関連を調べてくれ」
「はい、了解です」
「東は別ファイルの更なる精査と、俺と一緒に病院関連を洗うぞ(身元などを調査すること)」
「了解」
「気を引き締めてくぞ!」
「「「「「おーっ!」」」」」
いつものように円陣を組み、それぞれに拳を突き出す。
千葉の掛け声と共に気合を入れる。
すっかりそれにも慣れた夏桜は、体が勝手に反応していた。
男たちに合わせるように拳を突き出していた。
気を引き締めたメンバーはそれぞれに持ち場へと向かう。
夏桜はそんな彼らを見送っていると、
「上に報告してくるな?」
千葉はファイル片手に夏桜の頭を一撫で。
千葉のちょっとした仕草一つで、仕事モードになっていた夏桜の心は搔き乱される。
「もうっ、何とかなる薬って無いの?!私が作ろうかしら……?」
夏桜がブツブツと独り言を漏らしていると、
「どうかしましたか?」
「え?あっ、ううん、何でもない」
自席に戻る倉賀野が心配そうに顔を覗き込んだ。
そんな彼に笑顔で誤魔化した。
「よーし、新たな情報を見つけないとね!」
「そうですね、頑張りましょう」
「じゃあ、自分は科警研に行って来ます」
「お気をつけて~」
夏桜と倉賀野の横を三國が通り過ぎて行った。