CHECKMATE
1◇チーム『S』


女が立ち去り、千葉もその場から立ち去る事にした。
大通りへと向かいながら、相方の剣持 猛(けんもち たける)に電話を掛けた。

「はい、お疲れ様です」
「おぅ、お疲れ。猛、ちょっといいか?」
「あっ、はい。何かあったんですか?」

相方と言っても2つ後輩の警部である。
剣持もまたキャリアであり、大学時代の後輩でもある。

運よく同じ配属先になり、今年からパートナーを組む事になった2人。
プライベートでも仲が良く、気心知れた仲間である。

「今日、蜥蜴からのタレコミでとあるビルに行ったら、尾島組の下っ端がいて、そいつを追って別のビルに行ったら、仙堂もそこにいたんだよ」
「えっ?仙堂って、ブローカーの?」
「あぁ。差ほど大きな事件性は無いと踏んで下っ端を追ってたのに、思わぬ強敵に出くわしたって訳だ」
「そこ、どこです?今から行きますよ!!」
「いや、いい、大丈夫だ。さっき、バレそうになって撒いた所だから」
「えっ?大丈夫なんですか?一輝さん」
「ん、大丈夫だ。肝の据わった美人が手助けしてくれたから」
「はっ?………何ですか、それ」
「まぁ、詳しい事は明日話すよ」
「あぁ、はい」
「じゃあ、また明日な」
「はい、お疲れ様です」
「おぅ、お疲れ」

電話を切った千葉は大通りに出た。

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