CHECKMATE

『班長』
「分かったか」
『壁の一部か床の一部が動きませんか?』
「壁か床?」

千葉は壁に手を当て部屋を一周。
すると、カレンダーの後ろにモーター音の元だと思うスイッチを見つけた。
それをすぐさま切ると、モーター音が止まった。

「倉賀野、サンキュ。モーターはオフに出来た」
『壁にそれ以上異常がなければ、床をよく見て下さい』
「床?」

千葉は言われるままに床を調べ始めると、部屋の隅にある床の一部が持ち上がることを見つけた。
それを近くにあったバールのような工具で持ち上げる。
すると、床下部分に隠し部屋を見つけた。

「床下に部屋がある。今からゲンニン」

千葉は携帯のLEDライトをつけ、梯子を下りると。

「夏桜っ!」

部屋の隅に縄で縛られた夏桜を発見した。

床下の部屋は冷凍庫のようで、先程でスイッチを切ったと言えども室内は相当な温度。
すぐさま夏桜に駆け寄る。

「夏桜っ!夏桜、夏桜っ、おい、しっかりしろ!!」

声をかけても反応がない。
すぐさま頸部で脈を取る。
分かるか分からないか程度の弱い脈。
まだ息はある。

夏桜の服や髪が凍っていて、触れる肌の温度もかなり冷たい。
しかも、体に時限爆弾なのか分からないが、カウントダウンしている装置を発見した。

「倉賀野、夏桜のこれ解除できそうか?」
『確認します』

千葉は夏桜の体に付けられた装置の画像を送る。

『SATでも解除出来ると思いますけど、自分、今から向かいますっ!』
「悪いな」

千葉はすぐさま縄を解き、彼女を肩に乗せ、梯子を慎重に上がる。
冷凍庫から脱出した千葉は小部屋からも出て、夏桜の体を自身の上着で包む。

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