CHECKMATE
「うっ……ンッ……」
「拘束しろ」
「了解」
仙道の隣りいたエダーが発砲した銃弾は千葉の頬の横数センチの所を空を切り、千葉の銃弾は見事にエダーの左肩に命中した。
SATが仙道たちを取り囲み、拳銃やナイフ等を取り上げ、素早く身柄を拘束し、連行する。
倉庫内にいる意識を失っている男らも連行されてゆく。
「夏桜っ、大丈夫か?」
「……んっん……」
凍っていた髪が解けしっとりと濡れ、同じく凍っていたワンピースも解けて、胸元の下着が透けるほどびっしょりと濡れている。
千葉は胸元を隠すように、体に付けられている装置の下にポケットから取り出したハンカチをかませた。
「SATっ、これを解除出来る者がいるかッ?!」
千葉は倉庫内にいるSATに声を張り上げて指示を出す。
残り時間『12分47秒』と表示されている。
「自分が当たりますっ!」
「頼む!……倉賀野、聞こえるか?」
『はい、聞こえます』
「あとどれくらいで着くか?残り時間12分」
『5分ちょっとで着きます!』
「急いでくれ」
『了解っ!』
赤色灯を付けた上で首都高を走行している倉賀野。
あと少しで現場に到着出来そうだ。
SATが解除出来るならそれに越したことない。
だが、万が一の事を考えて、倉賀野に任せれば……。
「時限爆弾では無さそうですが、配線ではなく暗号化されていて止められませんっ」
「クソッ……」
SATがベルト部分を切り離せないか試み始めた。
数分して倉賀野が到着した。
「解除出来そうか?」
「たぶん行けます」
「頼んだ」
装置に遠隔操作で暗号をブロックする信号を出し、更にはそれを無効化する記号を割り出し始めた。
残り1分を切り、千葉はその場にいる者に退避するように指示を出した、その時。
カチャッという音と共に装置が開き、カウントダウンの表示が止まった。