CHECKMATE

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数日後。
容体が安定して来た夏桜の元に千葉が訪れた。

まだ幾つもの装置が体中に付けれていて、見るからに痛々しい。
けれど、千葉の姿を目にした夏桜は柔らかい笑みを浮かべた。

「気分はどうだ?」
「良くはないわね」

苦笑した夏桜の頭を優しく撫でる千葉。
ベッドの横に置かれたスツールに腰掛け、夏桜の頬にそっと触れる。

体温が自分と同じくらいなことにホッと胸を撫で下ろす。

「仙道たちは?組織の人もあの場にいたでしょ?彼はどうなったの?」

思い出したように口にする夏桜に、これまでの取り調べの内容を伝えると、安堵の溜息を漏らした。

「それと……」
「……ん?」

言い淀む千葉の顔を覗き込む夏桜。
彼が言いたい事が何となく分かるだけに、胸が痛んだ。

「科警研の所長も組織との関係性があるから、逮捕された」
「……うん」
「それから、その所長への情報をリークしてた三國も」
「……ん」

三國は、科警研への移動と昇格を条件に所長の口車に乗ってしまったようだ。
一介の警部であるより、より高い地位を求めてしまったのだ。
真希と共に夏桜の部屋を漁ったのは三國だったからだ。

「河村さんは自首扱いで拘束中だが、司法取引で釈放される予定だ」
「……ありがと」

安堵の溜息を溢す夏桜。
そんな彼女を優しい眼差しで見つめ、そっと頭を撫でる。

「痛い所とか無いか?」
「……大丈夫」
「食べたいものとかは?」
「特にはないかな……」
「こういう時は遠慮なく甘えろ」
「フフッ、……じゃあ、シュークリーム」
「次来る時、買って来てやる」

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