CHECKMATE
角にお洒落なカフェがある大きな交差点での信号待ち。
先程の女性が携帯画面を眺めながら立っていた。
運悪く、千葉も同じ方角に向いたい為、少し離れた場所で待つ事にした。
音響装置付信号機が青信号を告げる。
誘導音の『通りゃんせ』が流れ、人々が一斉に歩き始めた。
少し斜め前を歩く先程の女性。
携帯電話をサッと鞄に収め、足早に横断歩道を渡っている。
夕方の帰宅ラッシュも相まって、真っ直ぐに歩くのもままならない。
千葉はその人波を上手くかわして、信号を渡り切った、その時!!
「キャアァッ!!」
突然、悲鳴のような声が耳に届いた。
千葉の数メートル前方に人だかりが出来ていて、何やら問題が起きているようだ。
すぐさまその場へ駆け寄ると、20代と思われる女性が倒れていた。
「どうしました?!」
千葉がその女性のもとに跪くと、近くにいた男性が状況を説明し始めた。
「俺が歩道を歩いていたら、横を歩いていたこの女性が突然フラフラし出して、渡り切った途端に倒れたんです」
すると、周りにいた数人が同調するように頷いている。
俺はすぐさまその女性に声を掛けようと手を伸ばすと、