CHECKMATE
Epilogue♢チェックメイト
1か月後の金曜日の夜。
退院後、暫くは千葉のマンションに住んでいた夏桜。
完全に組織が壊滅した事もあり、警視総監から自宅への帰宅が許された。
チーム『S』の任務も終わり、一旦解散する事となった。
千葉と夏桜が同居する理由も無くなり、明日千葉のマンションを出て行く事になった夏桜。
いつものルーティーンで入浴と夕食を終えた2人。
千葉はビール缶片手にテレビを観ていると、夏桜が千葉の横に。
「夏桜?」
「ん」
「荷物は纏まったか?」
「……ん」
千葉の質問に答えるだけで、微動だにせずに立っている。
「どうした?何か言いたい事でもあるのか?」
1か月前に病室で、お互いの気持ちを確認した2人。
けれど、夏桜の体調を気にするあまりに殆ど進展することもなかった。
体内に埋め込まれたチップは無事に取り出せ、千葉と副総監が見守る中、総監の命の下、SATによる爆破処理が行われた。
その爆破処理の画像を万が一の時の為に録画してあるらしい。
すっかり手術の傷も癒え、体調も戻った夏桜は2週間ほど前に退院し、警視庁内でチーム『S』の後処理の手伝いをしていた。
それも今日まで。
今日付けでチーム『S』が解散となり、次に重大事件が起こるまで科警研に戻る事となったのだ。
缶ビールをテーブルに置いた千葉は、横で突っ立っている夏桜の手を掴み、隣に座らせた。
「どうした?何か言いたそうな顔してるぞ」
「………いいの?」
「何が?」
「………出てっても」
「………」