CHECKMATE
既に露わになっている胸元。
水色に白いレースがあしらわれた下着姿が綺麗で見惚れてしまう。
ふっくらと盛り上がった双房の右脇に近い部分に3センチほどの手術痕を見つけた。
けれど、丁寧に処置して貰ったお陰で殆ど気にならない程度。
水着や下着のデザインにもよるけど、隠すことも出来そうな場所だけに、安堵の溜息が零れた。
大した傷じゃなくてよかった。
俺はその部分に軽くキスをする。
しなくていい痛みを我慢して、痕まで作って。
それでも、世界中の人の為に命までかけて守り抜いた勇者の証だろうから。
ビクッと反応する体。
俺が何をしたのか、分かるらしい。
そんな彼女を見下ろして……。
「紳士的な俺と、素の俺と。選ばせてやる」
「ひゃぃ?」
「どっちがいい?」
「っ………ありのままの、……一輝で」
「フッ、……了解」
手加減なしでいいらしい。
俺は一旦彼女の上から元の位置に戻り、彼女をそっと抱き上げて。
万が一の時の為にいつも少し開けている寝室のドアを足で開け、ベッドに彼女をそっと下ろす。
「今なら紳士的な俺に変更可能だけど?」
「………しなくていいっ」
「フフッ、んじゃあ、手加減なしで」
「ッ……」
着ているTシャツを脱ぎ捨て、彼女を組み敷き、唇を合わせる。
触れる肌の温度が同じだという事に安心して。
時折漏れ出すよがり声が何とも言えぬほど男心を擽る。
前はこんな風に仕草一つ一つ感じてた記憶が無い。
欲望のままに女を抱いていた記憶しかなくて。
今目の前にいる彼女の仕草が脳と体に上書きされてゆく。