CHECKMATE
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翌日、夏桜はいつも通り、職場に出勤した。
「おはようございます。先輩、昨日はありがとうございました」
夏桜は昨日のお礼も兼ねて挨拶すると、物凄い速さで腕を掴まれた。
「夏桜、ちょっと来て!!」
「えっ?」
普段なら爽やかな笑顔で挨拶してくれる真希なのだが、この日は曇り顔で夏桜の腕を掴んだのである。
真希は夏桜の腕を掴んだまま、給湯室横の備品室へ連れ込んだ。
「ちょっと、先輩!朝からどうしたんですか?!」
「どうしたもこうしたも無いわよ!一体、どうなってんの?!」
「へ?」
いきなり人気のない小部屋に連れ込まれ、挙句の果てにはどうしたのかと尋ねられても、夏桜には全く思い当たる節は無い。
「いきなり何なんです?何かあったんですか?」
夏桜は真希の顔を覗き込み理由を尋ねると、真希は顔を歪ませ溜息を零した。
「夏桜、あんた、かなりヤバい事になってるよ」
「へ?………ヤバいって何ですか?!」
真希の突然の言葉に唖然とする夏桜。
全く以て意味不明である。
しかし、いつもと違う彼女の様子に危機感を覚え始めた夏桜は、ゴクリと唾を飲み込み、彼女の次の言葉を待った。
すると………。