CHECKMATE


「先月、タタキ(強盗)に遇った緑町のKスーパー。そこの店長、裏で脱法ハーブを撒いてるらしく……」
「…………で?」
「合法だから俺もどうかと思ってちょっと調べたんですけど、かなり非道な奴ですよ」
「フッ、ゲス野郎だな」
「んで、買い物に来た主婦らにバスソルトだとかスパイスだって名目で売り捌いてるらしく、常習性につけ込んで薬に手を出させ、大金を注ぎ込ませた挙句、払えなくなったらソープに流してるらしいです」
「………確かか?」
「俺が確認出来たのは………3人」
「この1ヶ月でか?」
「…………はい」
「チッ、ふざけた野郎だ!」

千葉は煙草の吸殻を携帯灰皿に入れ、溜息を吐いた。

「アングラ(根城)は何処だ」
「…………紅葉公園通り沿い、ロックビル3階」
「サンキュ!」

蜥蜴から情報を得た千葉は、すぐさま非常階段を下り始めた。

「あっ、それとお前!もう俺から逃げんなよ?!」
「あぁ~ハイハイ。お気をつけて~お達者でぇ~」

颯爽と駆け下りる千葉にヒラヒラと手を振る蜥蜴。
クシャクシャと髪を掻き乱しながら、再び雀荘へと向かって行った。

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