CHECKMATE
「GCSがE2、V2、M1だった」
「へ?」
夏桜が口にした言葉が理解出来ない千葉。
思わず、眉間に皺が寄った。
すると、
「GCSと言うのは国際的に普及している意識レベルの評価方法の事よ」
「……なるほど」
「日本ではJCSやECSという評価方法が一般的だけど、JCSは評価する人の判断でかなりのバラつきがあるの」
「………へぇ」
「それに比べ、GCSは判断基準が難しいけれど、バラつきがない」
「………」
「彼女はE2、つまり、痛みや刺激を与えると開眼するレベルで、V2……理解不能な音声のみを発している状態の言語反応。そして、M1……運動機能が全く動かない状態の意識レベルだった」
「それって、かなり危険だったって事か?」
「そう。数字が少なければ少ない程、危険な状態」
夏桜は真っ直ぐ前を見据えて淡々と説明した。
「それで、何故、あの………処置に?」
千葉は気になって仕方なかった。
意識が無いような容体の人に、なりふり構わず純糖を塗ったくっていたのだから。
再び赤信号に捕まり、千葉は助手席に座る夏桜に視線を向けた。
すると、