CHECKMATE
特殊捜査チーム『S』と記された一室。
警視庁の中でもあまり人通りの無い階にひっそりと佇む。
千葉と夏桜がそこに到着した時には既に、他のメンバーが登庁していた。
「一輝さん、おはようございます!」
「おはよう。皆ちょっと集まってくれ」
剣持と挨拶を交わし、千葉の一言で千葉のデスクの周りに集まるメンバー。
けれど、その視線は千葉の横にいる夏桜に向けられていた。
「昨日皆に話した、科警研から派遣された補佐役の東だ。じゃあ、東、一言でいいから挨拶を」
「はい。……東 夏桜と申します。捜査に関しては素人ですので、どうぞご指導の程、宜しくお願いします」
夏桜がほんの少しだけ表情を和らげ会釈すると、メンバーは歓迎するかのように拍手で迎えた。
「じゃあ、昨日の打ち合わせ通りに、俺と東、照さんと猛、水島と三國で地取り(周辺聞き込み)を。倉賀野は昨日指示した情報分析を頼む」
千葉の指示に従うメンバー。
千葉の一言で、彼らは『刑事』の顔になる。
夏桜は何をすればいいのか解らず、千葉の顔色を窺っていると。
「じゃあ、俺らも行くとするか」
「……はい」
特殊捜査チーム『S』
正体不明の闇組織を検挙する為、メンバー7人が動き出した。