CHECKMATE
2◇ハニートラップ
チーム『S』に夏桜が加わり、半月ほど経ったある日の夕方。
千葉と夏桜は歌舞伎町近くのカフェにいる。
大通りに面したカフェの2階の窓際、ガラス越しに通りを行き来する人々を真剣な表情で見下ろしていた。
「今何時だ?」
「…………17時45分を過ぎた所です」
千葉は視線を通りに固定したまま、夏桜に時間を確認させた。
「そろそろだな」
数日前に情報屋の蜥蜴から新たな情報を入手した千葉。
それは、先日千葉が偶然見かけたブローカーの仙堂が、最近歌舞伎町近くのクラブに頻繁に姿を現しているという。
チーム『S』に課せられた任務は『闇の密売組織の検挙』
仙堂の周辺は熟知している千葉であっても、万が一の事も考えられる。
可能性がゼロでない限り、仙堂の動向を把握するのは欠かせないと踏んだ千葉。
しかも、あの雑居ビルのようなテナントで尾島組の構成員と一緒にいたのを目にしている千葉は、何としても新たな情報を得たくて必死だった。
千葉から財布を受取り、予め会計を済ませておくという入念さ。
すぐにでもカフェを飛び出せるように段取りを組む。
そんな千葉の生真面目さに、夏桜も少しずつ慣れて来た頃であった。