CHECKMATE


「私と似たような恰好をした女性です」
「女?」
「はい。しかも、私達と同じように男性と一緒に……」
「毎日見たのか?」
「あっ、はい。というよりも、1日に数回見てますが……」
「はっ?!」

夏桜の言葉に固まる3人。
特に、千葉と剣持は唖然としている。

「東君、詳しく教えてくれないか?」
「………はい」

唖然とする2人に痺れを切らし、神保が口を開いた。

「今日はまだ早い時間なので1回しか見てませんが、昨日は3回。一昨日は2回見ました。しかも、連れ歩いている男性は全て違う人でした」
「何故、そう言い切れる?すれ違っただけで覚えられるのか?」

淡々と話す夏桜の言葉に突っかかる千葉。
刑事としてのプライドがあるからこそ、夏桜の言葉が信じられなかった。
すると、

「皆さんには申し訳ないですけど、私、見たものは大抵1度で覚えられます」
「ッ?!」

夏桜の言葉に3人が硬直した。

それもその筈、夏桜は世界的にマークされている程の頭脳を持った人物。
幼くしてギフテッド認定を受けたほどの逸材なのだから。

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