CHECKMATE
『良かったね。これで、肌荒れも落ち着くんじゃない?今日はのんびり過ごしなよ~』
『ありがとうございます。今日はこれからストレス発散して来ます♪』
『そうそう!いっぱいストレス発散しておいで~!じゃあ、また明日』
『お先に失礼しま~す』
真希にメールを送信すると、ホームに到着した電車に乗り込んだ。
半月ほど前から、今日の定期検診の事もあって、かなり動揺していた夏桜。
お陰でストレスからくる肌荒れに見事にやられて、顔には吹き出物が幾つも出来ている。
それを隠す為、ここ数日はマスクが必須アイテムになっていた。
電車の窓ガラスに映る自分の姿に溜息を零す夏桜。
検査をする為、化粧もせず、精神的な事もあって真面に食事も摂れなかった夏桜は見るからに血色の悪い顔をしている。
挙句の果てにはマスクを装備。
如何にも『私は病人です』と言わんばかりの姿であった。
5駅ほど乗車した夏桜は、普段降りる事の無い駅で下車した。
「確か、この駅の筈だったけど……」
改札口を出た夏桜は、携帯の地図ナビを見ながらてくてくと歩き出した。