CHECKMATE


夏桜もこれは仕事だと自分に言い聞かせ、ゆっくりと口を開く。

「親密そうに寄り添う2人が……ホ、ホテルでする事って………やっぱり、そう言う事………ですよね?」
「………え?」

夏桜が詰まり詰まり話すものだから、イマイチ呑み込めない千葉。
そんな千葉をフォローするように剣持が聞き返す。

「夏桜さんが何度も見たという女性が、男性とホテルに入る所を見たんですか?」
「………はい」

剣持のストレートの質問に伏せ目がちに答える夏桜。

「一輝さん」
「……ん」

千葉と剣持は顔を見合わせた。

「夏桜さん」
「はい」
「それって、1回?」
「いえ、違います」

夏桜の返答に3人はアイコンタクトを取る。
そして……。

「他に気になる点はあるのか?」
「………はい」
「それは、何だ?」

千葉の瞳に炎が点る。
一瞬にして、車内は緊迫した空気に包まれた。

そして―――――、

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