ある男子高校生の恋愛事情【三井編】
「担任とか、塾の先生は何だって?」
「別に何も言ってない。というか聞いてない」
なんじゃそりゃ
「行きたい高校ないのかよ」
「ない」
言い切りやがった
「お前、俺より重症だな。だったらなんで塾に行くんだよ」
「行けって言われたから」
……どこの親も一緒だな
「バスケ、そんなに楽しいの?」
「まあな。お前、部活やってなかったのかよ」
「読書部」
じ、地味
「なんか文句のありそうな顔してるわね」
「そんなことない」
ここで文句言ったら、おかわり出来なくなる
「とりあえず、どこか書いておかないと模試できないだろ」
「…………」
どうしたもんかねえ
何も言わないで俺の用紙を眺めてる
「芽衣子、おかわり」
「え?あ、うん」
………進路ねえ
俺、すっげー簡単に決めたからな
全然アドバイスできん