泣きたい夜には…~Shingo~
2年後
東京本社に異動した俺はそのレベルの高さに圧倒された。
MRはもちろんのこと、どの部署にも優秀な人材が揃っている。
その中に俺がいるということは名誉なことでもあるが、プレッシャーでもある。
成果を上げなければここにはいられない。
担当する医療機関も大学病院やそれと同レベルの大病院ばかりで今までのようなわけにはいかないことを痛感した。
でも、そんな俺を救ってくれたのが、ひとみのメール、ファックス、そしてスカイプ。
『もう、泣いている暇なんてないくらい大変だよ~!』
ひとみも言葉や文化の壁に悩みながらもひたむきに頑張っている様子を聞くと、
「俺も頑張らねば」
そんな気持ちにさせられた。
ひとみはスカイプで会話をしていても涙を見せることもなく、むしろ俺を元気づけてくれた。
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