泣きたい夜には…~Shingo~



「おや?ふたりそろって結婚の報告に来たのかな?」


院長は涼しげな顔でこちらを見た。


へ!?


け、結婚!?


ほ、報告!!!?


ま、まさか、ヒールの主は……


院長の娘!?


もしかして俺、


はめられたのか?


「はぁぁぁ!!!?もうお父さん、いい加減にしてよ!!!

この方にも迷惑かけて!どうせ言葉巧みにオイシイ話をちらつかせて強引に結婚話をごり押ししたんで
しょ!!!?

んなことやって、今まで病院が潰れなかったのが不思議なくらいよ!!!!」


さすが、院長の娘。


自分の父親のことをよくわかっている。


何もかもお見通しだ。


あの院長と渡り合うなんて本当にすごい。


未来の院長は彼女が適任なのではないか?


そう感じた。


「本当に申し訳ございません!どうしようもない父で…ほらっ、お父さんも謝って!」



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