泣きたい夜には…~Shingo~
「院長、これからひとみさんをお借りしてもよろしいでしょうか?」
ひとみの父親である院長をまっすぐ見て言った。
尤も、ダメと言われても連れ出していたとは思うが。
院長はクールな笑みを浮かべて、
「明日の夜までには帰してもらえるかな?大事なひとり娘なんだから…いい結果を楽しみにしているよ」
そう言うと、親指を立て、颯爽と院長室を後にした。
「はぁーっ!!!!」
き、緊張したぁぁぁ!!!
全身の力が抜け、その場にしゃがみこんだ。
これは上手くいったということでいいのだろうか?
ひとみは、というと、
「何だかドッキリに引っかかったような感じ」
俺以上に今の状況に着いていけてない様子。
そんなひとみに、
「メシでも食いに行くか?」
そう言うと、ひとみは、
「うん!行こ行こ!!!!」
笑顔で頷いた。
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