泣きたい夜には…~Shingo~



「綺麗だ」


そっと囁くと、


「慎吾もカッコいいよ」


穏やかに微笑むひとみと最高に幸せなキスを交わした。


「グスッ、慎吾ぉ~!」


泣き虫ひとみの目から大粒の涙が零れ落ちた。


本来だったら、美しい花嫁の涙…になるはずなのだが…


「おいっ、あんまり泣くと化粧が落ちる…鼻水鼻水!!!!」


ハンカチで涙を拭いても拭いても追いつかない。


ひとみは泣き笑いをしながら、


「幸せすぎても涙って出るんだね」


ひとみの泣き虫は治りそうにない…。


「行くよー!」


屈託のない笑顔でブーケトスをするひとみ。


春風そよぐ大空にブーケが舞った。


ひとみ…


泣きたくなったら、俺がいる。


泣きたい夜にはいつでも俺が一緒だから…


END



.
< 155 / 156 >

この作品をシェア

pagetop