泣きたい夜には…~Shingo~
「綺麗だ」
そっと囁くと、
「慎吾もカッコいいよ」
穏やかに微笑むひとみと最高に幸せなキスを交わした。
「グスッ、慎吾ぉ~!」
泣き虫ひとみの目から大粒の涙が零れ落ちた。
本来だったら、美しい花嫁の涙…になるはずなのだが…
「おいっ、あんまり泣くと化粧が落ちる…鼻水鼻水!!!!」
ハンカチで涙を拭いても拭いても追いつかない。
ひとみは泣き笑いをしながら、
「幸せすぎても涙って出るんだね」
ひとみの泣き虫は治りそうにない…。
「行くよー!」
屈託のない笑顔でブーケトスをするひとみ。
春風そよぐ大空にブーケが舞った。
ひとみ…
泣きたくなったら、俺がいる。
泣きたい夜にはいつでも俺が一緒だから…
END
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