泣きたい夜には…~Shingo~



「成瀬さん…」

「“慎吾”だ」

「慎吾…」


ふたりの視線が絡み合い、熱を帯びていくのに時間はかからなかった。


どちらからともなく重なる唇。


そっと触れ合うようなキスから互いを求め合う深く激しいものに変わっていった。


まさに、やけ酒に火がついた瞬間。


透き通るようなひとみの白い肌にそっと触れる。


「んっ…あぁっ…」


ひとみの唇から洩れる甘い吐息に持って行かれる。


心も、体も、何もかも…


俺とひとみのふたりだけの時間が動き始めた。



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