泣きたい夜には…~Shingo~
「そう簡単に引っかかんねーよ!!!!おっ、あっちの家の庭もすげぇ綺麗だぞ!行ってみよう!!!!」
あの日からの俺達はというと、
お互い好きという言葉もなく、付き合っているでもない。
でも、何故か俺の隣にはひとみがいて…
病院ではクールなドクターの顔で接するくせに、ふたりきりになるとゴロゴロと甘えてくるサマは、猫のようで。
恋人どころか友達でもなく…
セフレ?
いやいや、あれから何もないし…。
正直俺もよくわからない。
「慎吾、喉乾いた~!お茶しよ~!」
ひとみは前期研修を終えた。
小児科医を目指し、後期研修も小児科で頑張っている。
先週からNICU(新生児集中治療室)で赤ちゃん相手に奮闘しているようだ。
「生まれたばかりなのに、お母さんと離ればなれじゃ可哀相だよね」
なんて言いながら、涙を流す。
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