泣きたい夜には…~Shingo~



はい!?


意外な言葉に戸惑いつつも、


「まだだけど?」


ひとみのことが気になって急いで帰ってきたから、夕飯のことも腹が減っていたこともすっかり忘れていた…。


ひとみは不機嫌な表情のまま、


「だったら…うちで食べない?」
へ!?


何を言い出すんだよ、急に…


「何よその顔は!!!!いっぱい作りすぎちゃったんだってば!いらなければ別にいいわよ!!!!」


ひとみは乱暴に言うと、階段を駆け降りて自分の部屋に戻ってしまった。


「おい、待てよ!」


急いでドアに鍵をかけ、ひとみを追った。


ひとみの部屋にはあれ以来、メシを食いに行くようになった。


性格はメチャクチャだが、とにかく料理は何を作っても美味い。


俺の胃袋はあいつにガッチリ掴まれたも同然。


そう言っても過言ではない。



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