泣きたい夜には…~Shingo~
ひとしきり泣くと、
「慎吾がありさ先輩と話しているのを見ていたら、何だか苦しくて…仕事上の付き合いだってわかっているのに。
あぁぁぁ!!!やっぱり私って子供だわ!」
ひとみはドサリとうつぶせにベッドに倒れこんだ。
「ほーんとにガキ!だからお前のこと、危なっかしくて放っておけないんだよ!!!」
乱暴に言うと、ひとみの頭をぐしゃぐしゃに撫で回す。
「やだっ!髪の毛ぐちゃぐちゃになっちゃうでしょ!!!?」
ひとみは必死になって頭をガードした。
「お前、俺のこと…どう思っているの?」
今まで避けていたこと。
もうはっきりさせないといけないような気がした。
友達ならそれはそれでいい、
それ以上の関係…
確かに一度は身体を重ねた。
だがそれは、アルコールと一時の気の迷い。
医者であり、プライドの高いひとみがどこにでもいるMRの俺を好きになるとは到底思えない。
だからかな、結論を先延ばしにしていたのは。
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